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月別アーカイブ: 1月 2013

役者との面談スタート

kokohabi

先日、役者候補の方と、脚本の読み合わせをした。フェイスブックを見てくれた方から紹介いただいた役者さんで、フェイスブックが映画製作の人脈の要になっているというのは、現代的というか面白い展開だと思う。様々な才能の方といろんな出会い方をするのはスリリングで、映画って人との出会いから組み立てられていくんだなと実感した。

さて、来られらのは、サトル役候補の方。ウチの事務所に招き、読み合わせというよりは、即席ワークショップみたいな感じで始めた。実際に、生の人間が台詞をしゃべると、脚本に、また違ったニュアンスも出てくるし、いくらでもシーンの解釈が生まれるなと思う。解釈の取捨選択をするのが、ディレクションの醍醐味だと納得した。

役者は、その役になろうといろんな方法でアプローチというものをする。自分に近づける方法、思い込みを利用する方法、自分の中に要素を見つける方法、いろんなアプローチがある。正解はなし。短い時間で、自分なりのアプローチを見つける方法は、数人でオーディションをする方法があると思う。自分と違うアプローチを体感すると、自分の限界、好み、範疇を理解する。しかし、そこを乗り越えさせる事が、ディレクションする者の役割だ。どなったり、役を入れ替えたり、ほめたり、会話術、心理学、経験したこと、妄想、あらゆる方法で、その場にいる者の予想を超えた結果を導かねばならない。

そういうものを「演出」と呼ぶのだろう。それは奇跡を起こそうとする作業だと思う。映画に神がかり的な、霊的な、高尚な、何かを記録するのは大変だ。

「嗚呼、自分は、今回の映画で奇跡を起こしたかったのか!!」と実感。面白いが大変なチャレンジだと思う。シナリオ的には、映画の神様を下ろす仕掛けは完成している。あとは、そこに、サトル役の役者が立つだけだ。

カメラをどう構成するのかも、いろいろ試行錯誤が必要に感じた。役者の演技の質感をどう切り取るのか?いろいろ考えさせられた一日でした。

 
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投稿者: : 2013年1月15日 投稿先 進行, 役者

 

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ロケハン一回目

rokehaan

最初に、一番ロケハンで苦労しそうな「ミチル先生の公衆便所」を探しに、所沢に向かいました。中野から高速使って片道1時間15分くらい。なんとなくアタリをつけていた山腹に広がる巨大な公園を発見。もしやいい感じなんじゃないか??激寒い中、山を登ります。おお!いいロケーションが広がります。しかも、ほぼ誰も居ません。理想的な山道。そして公衆便所にたどり着きました。おおー!有るじゃないですか!!素晴らしいです。今は冬ですが、夏になると緑も増えるでしょうね。この公園、なにげにいろんなシーンで使えそうです。

所沢に知り合いが居ないので、機材やスタッフの基地はどうしよう?まあ、なんとかなるでしょうー。

 
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投稿者: : 2013年1月15日 投稿先 進行

 

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PrとAeのワークフロー考察

irosindo

CS6のアドビを試しているところです。今までのワークフローは

GH2で撮影したMTSを、5DtoRGBでProResHQに変換して、FCPで編集し、そのプロジェクトデータをAEに持って行き、色深度16bitでカラコレし、最終的にまたProResHQにAEから書き出していました。AEでカラコレしているのは、FCPは色深度が10bitまでなので、カラコレすると階調など破綻するからです。で、この方法で、テスト撮影などは上手くいっていました。出来も綺麗でした。

しかし、長尺の作品を作るのに、上記の行程は、ややこしすぎます。カラコレアプリも色々登場してきたので、なんとかしたいなと、プレミアCS6を試して解決できないかと試行錯誤を始めたところです。これなら、MTSをProResに変換しなくても、プレミアに読み込めますし、MTSのまま編集し、AECS6へはダイナミックリンクで、プロジェクトをそのまま持っていけるので、色深度16bitで使い慣れたAEを使い、そこで最終書き出しをProResにすればいいやと考えていました。この工程は、実験し可能でしたので、めでたしめでたしと思っていたのですが、妙な文章を見つけて、アレ?もしやと思っているのですが、、、、、

プレミアCS6は、そもそも、色深度8bitに固定されてなく、色深度16bit以上でカラコレ出来ちゃうんじゃないか?

というものです。もし、そうならプレミアCS6で編集し、そのまま、色深度を16bit以上にして、プレミアのエフェクトフィルターでカラコレしちゃえばいいのではないか?すごくシンプルだし、アプリを行ったり来たりしないし便利では?と思いました。マスクで細かくカラコレしないので、プレミアで完結するなら助かります。

プレミアの公式ヘルプにも以下のことが書いてあります。
(最大ビット数)色深度を 32 bpc まで最大化し、シーケンスで再生されたビデオを含めます。選択した圧縮形式が 1 種類の bit 数しかサポートしていない場合、このオプションは通常使用できません。8 bpc カラーで再生するシーケンス(Web ページや一部のプレゼンテーションソフトウェアでデスクトップ編集モードを使用している場合など)用に 8 bit(256 色)パレットを指定することもできます。プロジェクトに、Adobe Photoshop などのプログラムによって生成された高い bit 数のアセットが含まれる場合、「最大ビット数」を選択します。Premiere Pro は、エフェクトの処理やプレビューファイルの生成を行うときにこれらのアセットのすべての色情報を使用するようになります。

ダイナミックリンクでアフターエフェクツの色深度設定を16bitにしておくと、プレミアに戻した時に、16bitでレンダリングするという動的リンクが、プレミアシーケンスに適応されるっていう事実に、まずビックリ。

しかし、どうやらこれはダイナミックリンクに鍵があるようです。プレミアだけだと色深度は10bitが上限のようです。プレミアだけで完結する夢は残念ながら破れてしまいました。

で、結論。

今後は、私のワークフローとしては、以下の通りを構想中です。

PrでMTS編集 → AEにダイナミックリンク書き出し → 16bit色深度に設定してカラコレ → AEでProRes書き出してオシマイ

備考:AEでカラコレ作業中に少し編集修正したいなと思ったら、Prの編集シーケンスを修正すれば、ダイナミックリンクなので、すぐにAEに修正が反映される。(たぶん)

ダイナミックリンクの挙動がまだ今ひとつ分かりませんが、どんどんテスト重ねていこうと思います。ちょっと、途中で妄想が膨らんでしまったのですが、PrとAeをうまく使いこなして連携させなければと思います。

 
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投稿者: : 2013年1月10日 投稿先 編集

 

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オペラの衣装

参考となる画像たち。非日常。非俗。東洋。神秘主義。自然と調和。奇抜な。大きい。デカダンス。宗教。哲学。建築構造。四季の精神状態。ミチル行方不明後はレースで顔を隠す。2回出て来るオペラオンブラマイフの衣装を共通にするかどうか要検討。ヘアメイクなどトータルで構築する必要性をどうする???

 
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投稿者: : 2013年1月8日 投稿先 衣装

 

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短編「シャルロッテ姫」

syaru

「変な空だな。」

流れる雲が異常に早いのを、和男は眉間に皺を寄せながら呟く。少し不機嫌な時の皺は、ここ十数年の間に深さを増していき、40代前半の和男の顔をすっかり年老いて見せていた。3時からのミーティングが不調に終わり、和男はビル2階のスタバに避難していた。最近、よく避難するようになった。若い頃は、仕事中にお茶するなんてと思っていたが、管理職になると、避難することも大事なのだと思うようになった。最近入った新しいバイトの女の子にコーヒーを注文し、赤いランプの下で受け取り、窓際のカウンターに腰掛ける。窓の下には、デパート帰りの主婦達が、買い物袋を下げながら、道を魚のように流れていく。漠然と幸子の事を思い出す。大学生の頃に出会った幸子は、「これはプラステックの真珠なのよ。」と偽物の真珠が目を引く女の子だった。決して美人ではないが、真珠のよく似合う和風の顔立ちで、和男は、いつか本物の真珠を買ってやろうと思った。やがて結婚し、初めての子供が産まれた時に、すやすや眠る幸子の枕元に、本物の真珠の首飾りを置いたりもした。和男は窓にうっすらと映る自分自身の姿を確認し、溜息をつく。幸子との恋愛は終わってしまった。同じ屋根の下で暮らしているのに、会話も少なくなったし、真珠の首飾りも箪笥の奥に仕舞われたままになっている。3人の子供たちは、どこかよそよそしい気がする。親と子どもの関係ってこういうものなのかと、かすかな失望もしていた。突然、窓に映る自分が泣いているように錯覚した。それは窓に水滴がついて流れていたのだ。だんだんと景色がどんよりし、カウンターの木の色が変わっていく。ふと窓とカウンターの隙間に沢山のホコリが詰まっているのに気がつく。きっとあの新人バイトのせいだと悟る。客商売というのは、センスだと思った。こういう事に気がつくのかどうかを、他人に言われないとダメだなんて。窓にはどんどん水滴がついて、塊になると、流れていく。「変な空だな。」

ホコリの中に、黄色っぽい何かが混じっていた。それは何かの眼のようにも見える。よく見ると、小さな蛾の死骸だった。ビルの2階のスタバに、よく迷いこんできたものだと思った。あの赤いランプに誘われたのか?蛾の羽には眼のような模様がある。鳥から身を守るために、擬態をしているのだと何かで読んだことがあった。雨の音が強くなっていく。和男は、はるか昔の忘れていた場面を思い出した。あまりに急だったので、少し驚く。

和男がまだ小学2年生の時、窓辺に置いてある薔薇の鉢植えに、蝶蝶のサナギを母親が見つけた。母親は、なんて素敵なことでしょうと、和男と共に、サナギが割れるのを待ちわびた。和男は、子供の頃は、体が弱く、いつも家の中で遊んでいた。和男にとって、母親は、遊び相手でも有り、教師でもあった。そんな母親が、まるで乙女のような顔をするので、和男は少し興奮していた。母親はヲンナなのだと気がついたのだ。やがて、サナギは割れる。綺麗なしっとり濡れた体が現れると、母親と和男は恍惚となった。その3時間後、母親は冷たい表情になり「なんだ、蛾じゃないの。損した。」と立ち去ってしまった。和男は、自分に言われた気がして戸惑う。残された和男は、蛾を見続けていると、みるみるうちに、フワッとした毛で覆われていく大きな体の昆虫に目を奪われた。扇型の羽が広がっていき、そこには和男を見つめる眼が開かれた。見つめ合っているかの様な気がしたが、和男は目を離さない。羽は黄金色で美しかった。鱗粉は、様々な色彩の虹色を輝かせる。母親が台所から、そんな蛾は早く捨ててしまいなさいと言っている。和男は、まだ飛べぬ蛾を、手に留まらせる。小さな6本足で指を掴まれた和男は、その感触が気持ちよかった。裏の自転車小屋まで蛾を連れて行くと、自転車のハンドルに蛾を留まらせる。ハンドルを伝っていく姫は、羽をバタバタさせ、虹色の鱗粉を振りまいている。「君の名前はシャルロッテ姫だよ。とっても偉いお姫様なんだよ。明日、また会いに来るからね。」自転車小屋の鍵を掛け、和男は戻っていった。

翌朝、和男はシャルロッテ姫に会いに行くと、姫の姿はどこにもなかった。鍵は掛かったままだったのに。その日の午後、大雨になった。和男は、姫がどこかで濡れて立ち往生しているのではないかと心配した。

すっかり、あんな蛾のことなど、忘れていたのに。和男は、急に子供の頃に戻った感覚に驚く。もう母は亡くなってるし、何度も引越しをしたのに、あの自転車小屋の事も、細かく思い出していた。

「シャルロッテ姫、あなたは何処に行かれたのですか?」

そろそろ会社に戻らないと。ミーティングの続きをして、軌道に戻さなければ。早起きして、妻の枕元に、偽物の可愛い真珠の首飾りを置いてみよう。和男は立ち上がり、コーヒーカップを戻し、新人のバイトに昆虫の死骸のことを教え、エレベーターへ。

「本当に変な空だな。」

いつしか雨はやみ、誰も気が付かない虹が掛かっていた。

追記:年末に、友人の庭先でサナギを破った蛾の話を聴いて、なんだか懐かしい衝動が起き、ささっと書きました。大人になると無くしている「何か」について。

 
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投稿者: : 2013年1月7日 投稿先 雑談

 

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謹賀新年

gamen

「ようこそ、美の教室へ」の準備を本格化させます。

その前に、私の作品歴を見ながら、なぜ、この作品に至ったのかを漠然と考えていました。「ようこそ、美の教室へ」の核は何かについて、想いをめぐらしたのです。

『SPICA』までの作品は、すべて根本に、私の死への恐怖を抱えていたと思います。しかし『SPICA』を作る事と、同時期に現在の相方とめぐり合う事で、恐怖心を達観し、脚本を書けなくなってしまいました。立ち上げた会社も落ち着いたので、2011年から、また脚本を書こうとモガくのですが、どれも自分の中で、未消化のまま、題材は積み上げられていきました。

2012年、母親と自分自身が病に倒れ、美しかった母親が、心身ともに崩れていく様を体験し、自分自身も顔面麻痺で痛々しい存在となったのをキッカケにして、人間の儚さを実感し、また「何故、自分は作品を作るのか?」という根本に立ち戻る事となります。

性欲と芸術欲から得られる恍惚感を比較吟味したり、美しさの中に潜む死そのものとも立ち向かい、脚本を書き上げることが出来ました。

美しさも死も全て「繰り返し」の概念には敵わぬという事実、「繰り返し」こそ全ての中毒の正体であるという事実を、どう映像にすべきかと、練り上げていったものが、この「ようこそ、美の教室へ」であります。この様な意味の思索、神話的普遍性は、これまで日本映画が不得意としている題材であると思います。

それを提示したいと思うのです。それは、私や母の死が、作品に帰結するという私自身の願いであり、救いとなるものであるからです。

皆様、今年は、私にとって、一番重要な年になります。45歳になって、ようやく成し遂げようとする映画です。映画を作る者は、人生を掛ける作品が、その生涯に一本有るか無いかです。その現場に、どうぞ立ちあって、力を貸してください。

 
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投稿者: : 2013年1月5日 投稿先 進行, 脚本, 雑談

 

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